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 ゼミの同級生との “若さいっぱいの大討論会と大飲み会” (と思っていたのは私だけの様でしたが…) の翌朝、抜け殻の様になっていた私は、同級生が楽しそうにそして真剣に子供たちに対する教育について語り合っている姿を見ながらその輪に入れてもらえず、酒の匂いを部屋中にまき散らしている自分の後ろめたさを抱え、一人ぼっちの孤独感にさいなまれ、何とも言えない寂しさと後悔の空気に包まれたままのイヤァ~な気分を引きずりながら東京にたどり着いたのでした。
ところが、東京の赤いネオンが目に入ってきたとたん、それまで孤独の辛さと後悔の念でイッパイで「酒には気を付けなければいけない」と心に誓っていた私のはずなのに、アッという間に酒飲みモードのスイッチが入ってしまったのです。
 もうそのあとは、早く戻って初めてお酒を飲む楽しさを教えてくれた「あの居酒屋へ行かなければ!」とさっきまでの暗い思いはどこへやら、飲むことが楽しみでしょうがないウキウキした足取りで地元に急いでいたのです。飲む=愉しい=イヤなことを忘れると言った” 酒への囚われ ” も、すでにこの時から始まっていたのでしょう

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