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 お酒の味を覚え、大人の夜の世界も垣間見始めた二十歳過ぎのヒヨッコは、昼間はバリバリの体育会系で “ 体育の先生になるという熱い思い ” を心に抱いた青春真っタダ中の若者でした。大人の世界で覚えたお酒はそんな若者の役にも立ちました。体育心理学のゼミ合宿で同級生たちと熱く子供たちに対する「 教育とは!、体育とは! 」と熱く語り合うには、お酒は持ってこいのイイ道具でした。夜中まで海辺でみんなとたき火を囲みながら語り合っていれば、1升瓶の2~3本が空いてしまうのは当然の流れの様でした。
 そんな若かった私の姿に、今だから気付けたことがあります。
 それは、あれだけたっぷり酒を飲み、イイだけ酔って熱く語りあっていた同級生が、翌朝はみんなしっかりと朝食をとって、午前のゼミにも真剣に参加していたのです。私はといえば、二日酔いがヒドくて朝メシなど口にする気にもなれず、ゼミの真剣な話しになどついていけるはずもなく、魂の抜けたゴミくずのような状態で時間が過ぎるのを待つしかない状態でした。あのカラになった空きビン達の中身のほとんどは私が飲んだに違いありません。今だから気付けたことは、もうすでにあの頃から “ アルコールに対するコントロール障害 ” が顕著に現われていたのでしょう (T_T) …

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