３回も飲酒運転で事故を起こした結果、バイク通勤禁止になり他店舗への異動となりましたが、普段の生活で飲酒運転をしなくなることはありませんでした。その事で上司に小言を言われるようになり「だったら辞めてやるよ」と自分勝手に退職。この後、長く勤めることはなく、なんとなく仕事をするようになっていきました。
30歳になる間際、看護助手として働いているときに元嫁と出会い、すぐに妊娠が分かって入籍をしましたが「親父になるのは産まれてからでいーや」と父親になる準備をせず、飲みに麻雀、オートレースと独身の頃と同じように遊んでいました。「生まれてくる子供のため」だとか「自分にはこっちの仕事の方が向いている」などと言い訳をして何度も転職を繰り返していました。
３２歳になった時に脚の付け根の痛みが気になり始めましたが「脚の痛みなんかで仕事を休んでいる場合じゃないんだ」と酒と痛み止め、整形外科でのマッサージで誤魔化していました。しかし半年近く通院しても痛みが引かず「全然痛みが引かない、マズいかも」とやっと検査を受けた結果、医師に「突発性大腿骨頭壊死ですね、左が３/２以上で右が3/1くらい壊死してます。ウチでは手に負えない病気で、住まいの近くの大学病院に紹介状を書きますのでそちらへ行ってください」と言われました。「お前がマッサージを半年続けたら治るって言ったから通ってやったのに手に負えないってどういう事だよ、２歳になる娘と妊娠中の嫁がいるんだ、貧乏させるわけにはいかねーんだよ」と怒りが込み上げてきましたが、どうする事も出来ませんでした。紹介された大学病院に行って早く脚を治してもらって、２人目が産まれる前に元の生活に戻らなきゃと気持ちを切り替え大学病院へ。待合室で順番待ちをしていると「これ（紹介状）持ってきた方？」と白衣を着た男性に聞かれ「そうです」と答えると少し離れたところに連れていかれ「紹介状に書かれている手術ができる医師はここにはいないし都内にも多分いない。人工関節は３０代の人には勧められない」と言われました。「ひょっとしたら（駅伝が有名な）大学病院の医師が出来るかもしれないから行ってみてください。」と言われ行ってみたが、いきなり医大生とインターン20人くらいに囲まれ怖くなり、そこでの治療を断念しました。簡単に治るものだと思っていたので頭の中が真っ白になりました。「都内にいないならどこにいるんだよ、治してくれる医者をどうやって探せばいーんだよ」と絶望し何をどうすればよいのか、家族の将来に光が全く見えず逃げるように酒を飲んでいました。
元嫁のツテで埼玉に条件を満たしてくれる医師がいると聞き、診察を受けましたが手術まで2か月かかると言われました。他に探すのも疲れていたし、少しでも働いて手術費用や家計の足しを作らなければと考えていたので了承し待つことを決めました。その間。2つのバイトをかけ持ちし、痛みを抑えるのに深酒することが多くなっていきました。酒では誤魔化すことが出来なくなってくると「もうこれしかない、家族のためだからしょうがない」と危険ドラッグ（当時:脱法ハーブ）や覚せい剤を使用するようになりました。
