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一週間位飲み続けた後に酒を抜こうとすると私の場合は冷や汗、手の震えに加え嘔吐を繰り返し、便器を抱えてトイレから出られない程でした。これを乗り越えなければ仕事には行けないと思うのですが、少し動ける身体になると、どうしようもない不安感が襲ってきて風呂にも入らず汚い姿でよろよろと酒を買いに出て飲み続ける日が続きました。
そんなことを続けるうち酒を買いに出た時、前を歩いている人達がどんどん消えていく幻覚を見るようになりました。なんとか仕事に出られた時も車に乗っていると、ずっと飛行機が付いてくる音がする幻聴もするようになりました。長い連続飲酒の後は必ずといっていいほど幻聴、幻覚が現れるようになっていました。それほど一杯飲むと長い時間飲み、また酒が抜けるのも長い時間かかっていました。
離婚をして一人になったのですがまだ友達付き合いは続いていて、仕事にも出ないで一人で家にいる私を心配してくれた友人達が来てくれた時にも幻覚が現れ「ベッドの下に金髪の外人の子供がいるから気を付けて」とか「キッチンに車椅子に乗った人がこっちを見ながら行ったり来たりしているから怖い」と言うと、友人達はなんともいえない顔をしていました。その時は「もう飲んじゃダメだ」と家にある酒を友人達が持って帰りました。
借金もできずに家にある小銭をかき集めて自動販売機に酒を買いに出ることもありました。それも底をつき、あんなに心配してくれていた友達に「ビール買ってきて」と電話するとさすがの友達も「いい加減にしろ!体を治せ!」とあきれられました。そうなると最後はいつも119番に電話をかけることになりました。

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