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前回の入院同様身体は元気になり、アパートと病院の往復が始まりました。
毎日引っ越しの段ボールから荷物を出し整理をしました。何日かかったか覚えてはいませんが、なるべくゆっくりやって中間施設行きを遅らせようと考えていたのは覚えています。その間に自分で希望して週二回の夜のAAミーティングに出してもらいました。これもAAミーティングに行けば中間施設には行かなくてもいいと言われるんじゃないかと考えたからでした。
しかし主治医から「Kさん、〇日からリブ作業所(ワン・ステップの前身である中間施設)に行ってね。」甘い考えは崩れました。ついに中間施設行きの日にちが決まりました。前回入院している時にあの人達は何回も入院しているからあんな所に行かされているんだと患者同士で話していたのですが、今度は自分が行く羽目になってしまい恥ずかしい思いでした。朝病院を出たら夕方まで帰れないと言われ、しかも「昼食は自腹」と聞かされ、入院しているのにそれはないと思いました。生活保護なので入院費は出してもらえていますが、それ以外は1日500円位でやっていかなければなりません。前回の入院も生活保護のお世話にはなっていましたが、友達から見舞金を頂いたりしたので割と楽に入院生活を送っていました。しかし2回目となるとさすがに誰も来ませんし連絡も取りません。「お弁当が出て一食380円だから」と中間施設通所の先輩に言われましたが、私は煙草を吸っていましたからお弁当代はとてもじゃないけど出せません。「なんで入院しているのに自分で昼食代を出さなければならないんだ!」と病院側に食って掛かりました。
イライラして初日を迎えました。入院仲間の後をついて行きバス停に向かいました。いってみれば地元なので「こんな所からバスに乗るのかよ」と普段は素通りしていた所でした。生活保護なので、都営の乗り物が無料で乗れるパス券を支給されていたので都バスで南千住まで乗り継いで行くということでした。さらにイライラさせたのはバスのコースで真っすぐ乗り換えの区役所まで行かず、一旦駅に行きまた戻ってくるコースでした。「明日からは区役所まで自転車で行くので一人で病院出るから!」と入院仲間に言っていました。
長々と書きましたが、それほど中間施設というところに行きたくなかったのです。

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