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子供の為に頑張ると言いながら酒の飲み方は相変わらずで、ある日は女房にとがめられると、ふてくされ「仕事に行く」と言いながら勝手に休み、カードで借金をして朝から健康ランドで飲んだくれ、どうでもいいやと勢いがつくと更に遠くに飲みに行きたくなり、仕事着のままじゃ嫌なので服と靴も借りた金で買って着替えて記憶がなくなるまで飲んだくれ、気が付いた私は病院の緊急外来のベッドに寝ていました。
気が付くと女房が見たことがない服を着た私を何とも言えない顔で見ていました。結局地元に戻り飲んでいたらしく階段から落ちて顔やひじ、ひざをケガしていました。買ったばかりの服や靴にも血がついていました。
結婚する前もよく飲みすぎて顔をケガしていたので、環境が変わっても酒を飲むと私だけが変わっていませんでした。むしろ救急車に運ばれるまでになる程ひどくなっているということにも少しずつ気がついていました。
そういった事件があるとしばらくは言うことを聞き、発泡酒1日2本までとか、焼酎の大きいペットボトルに引かれた1日分の線を守りおとなしく飲んでいたこともありましたが、やはり物足りなくなってくるので、仕事帰りに酒を買い隠して持ち帰ってはベランダやクローゼットに忍ばせ、隙を見ては酒を取り替えたり、継ぎ足しをして1日分を装って静かに飲んでいました。そして、たまにある友達同士の草野球や飲み会に出るとここぞとばかりに飲んでは、二日酔いで仕事を休むことを繰り返していました。

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